もうね、ひどいね。
何がって? お題ですよ、あんなんで話が書けるかよ!
というわけで、投げっぱなした前回と違い今度こそ、今度こそマトモなお題を俺に……
初詣
日曜の夜
アイスクリーム
あ、結構いいんじゃないか?
年初めの日曜日の夜。
いや、俺は大方の人々と同じく正月休みなんで日曜も月曜も大差はないんだけど、夜の話だった。
その夜は月はなく、また星もなく、どんよりと曇った不景気な夜空だった。
俺は友達に連れられて、急に初詣をすることになった。
そいつはいつもながら気まぐれ怪人で、なにごとでも思い立ったらやらなきゃ気がすまないのだ。それなら勝手にやってくれればいいもんなんだが、何かと理由をつけて俺を巻き込んでくれる。
こんな日に、こんな時間に、初詣だ。キチガイといっても差し支えないんじゃなかろうか。
「ったく、何で俺がこんな目に……」
「そう拗ねるな、あとでアイス買ってやるから(ハーゲンダッツ以外な)」
「マジか?(箱アイスはありなのか?)」
「残念だが、税込み105円以内だ」
「ちっ……」
まぁいい、これを聞いていくらかでもモチベーションがあがった。
おごられるというのは実にいい気分なのだ。タダメシ程うまいものはない。
「さぁ着いたぞ」
うだうだのたまわってる間に俺たちは神社に到着した。
が、当然閉まっていた。言い忘れたがいま午後11時。
「閉まってるじゃんコレ」
「スニーキングミッションだ。いいか私がゼロ少佐だぞ」
「じゃあ俺はザ・ボスか? いや~美人はつらいねぇ」
「お前はシギントで十分だ」
その言葉に俺は怒りゲージがMAXになるのを感じた。
今なら大斬りでライフを半分以上削ることが出来る気がする。
「とにかく行くぞ」
このわがまま大王を後頭部を全力で殴って帰ってやろうとも思ったが、やめた。
ここまで付き合ってアイスが食えなくなるのは惜しい。
ふ、アイスに感謝するんだな。
「きぇ~~~~~!」
神主があらわれた。
「どうやら厄介なやつとエンカウントしちまったらしいな」
「あぁ……!」
神主はずるりとその首を落としながら、焦点の定まらぬ視線で、言葉とは思えぬ奇声を繰り返す。
付き合うのも面倒くさくなった俺たちは、そのままアイス食って帰った。
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