深夜、自分の部屋でパソコンの画面を凝視していると
不意に背後からガサゴソと音がした。
なんの音だ……?
と、振り返ってみたものの、特に異常はなかった。
異常はないが、余計怖くなってきた。
幽霊を信じてるわけじゃないけど、虫とかゴキはやばい。
あの手合いを見ると僕は冷静さを失い、
まるで小学生の女の子のようにキャーと逃げるしかないのである。
その後も気になって何度も振り返ってみるが、何もない。
ガサゴソという音もあれからしないし、気のせいか。
と思った刹那、またガサゴソ音がした。
しかし今度は僕ははっきりその原因を見つけた
虫だ。小さな虫が電灯にひっついてやがる。
ハエのようではあるが、それには少しサイズが小さい気もする。
虫博士じゃないので残念ながらよく分からないが、虫だった。
虫がいるとなると心穏やかじゃない。
最初は仏のような心で逃がしてやろうと思ったけど、
近づくとまるで僕を威嚇するかのようにブンブーン。
しかもよくみるとゴキブリっぽいし! 新居にさっそくかよ!!
僕はなるべくヤツを刺激しないようにさっと部屋から玄関へと出た。
もちろん逃げるためじゃない、やつを倒す武器を調達しにだ。
万能虫殺し”ゴキジェット”があればいいが、虫殺しなら何でもいい
とにかくヤツが羽音を響かせるたび、
素で「ギャー!?」と叫んでしまうため早めにけりをつけよう。
玄関に行くとゴキジェットはないが姉妹品のアースジェットがあった。
ハエとか蚊用のゴキジェットみたいなもんらしい。
上等だ。
僕は電灯のやつを倒すため、椅子にのぼった。
アースジェットを落ち着いてヤツに向け、レンジを絞っていく。
KOOLになれよジミー……
そしてまみどりの虫へスプレーのトリガーを躊躇わずに引く!
直撃! 電灯をスプレーまみれにしながらヤツを追い詰める。
だがヤツは一時的にひるんだもののぴんぴんしてやがる。
不死身かと、一瞬、ほんの一瞬だけそう思ってしまった。
しかしヤツもダメージは受けていたようで、
ふらふらとよろめきながら、
やがて――まっ逆さまに電灯から落ちていった。
残酷なようだけど僕はそれをティッシュで拾い上げて、潰した。
そしてティッシュごとゴミ箱へと捨てた。
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