うちの近くにあるそば屋には、ラーメンがある。
正確には中華そばというのだけど、ここではラーメンと呼びます。
とにかく、僕はそのそば屋のラーメンが信用ならなかった。
理由はとても簡単で、そば屋なのにラーメンをやってるからだ。
そば屋のラーメンって、なんだか違和感がある。
ハンバーガー屋のサイドメニューにフライドチキンがあっても
僕は何も感じないけど、そば屋のラーメンはやっぱり違和感があるのだ。
例えるなら見るからに怪しいヒゲのペテン師のような……
なんともいえない胡散臭いオーラを全身から発している感じがする。
そば屋のラーメンとはそんな風に僕は感じている。
そしてそれだけならいいのだけど、大抵は美味しくない。
そば屋で美味しいラーメンってのは聞いたことがない。
だいたい、ラーメンのほうが美味しかったらそば屋として面目丸つぶれだし。
そんな変なそば屋なんだけど、そのそば屋のカツ丼はとても美味しい。
そばよりもはるかに美味しい。カツ丼に関して言えばもう文句はない。
つまり、こういうこと。
カツ丼が美味しくて、ラーメンが美味しくないそば屋。
なんとも変なお店だけど、だからこそよく覚えているのかも。
……え? オチ?
「別にオチはねぇよ……」
「疲れてるんです。そっとしてあげてください……」
洋画などみると、色々なシーンで主人公はニコリと爽やかに笑う。
それは女性とのデートのシーンだったり、
パーティーの席でだったりと色々なのだけど、とにかく爽やかに笑う。
僕はこの爽やか笑いに憧れてるので、真似しようと頑張ったんだけど、
うん。難しいだなこりゃ。
僕がやろうとするとニヤリになってしまうのである。
ニヤリとニコリの何が違うって、
ニコリは爽やかだったり無垢なイメージがあるけど、
ニヤリって何かたくらんでそうなんだよね。っていうか怪しいよね。
意味もなくニヤニヤしてる人が街中にいたら間違いなく怪しいよね。
ニヤリといえば、電車の中で思い出し笑いをこらえるときも大変だ。
誰かと話してれば笑ってても不自然じゃないけど、
一人なのにくすくすニヤニヤは明らかに不審者極まりないので
僕も何とか笑いをこらえたいんだけど、一度笑ったら、ほら、
こらえるのってすっげぇ難しいよね。
でもさ、朝の電車なんか待ってたりするときに思うんだけど。
ニヤニヤでもニコニコでもいいから、
そんな仏頂面しないで楽しい顔をすればいいと思うよ。
そうすりゃみんなつられて明るい世の中になっていくんじゃないかな?
前々から僕は――
いや多分みんなも思ってると思うんだけど、カップやきそばに疑問を持ってた。
何が言いたいかって、焼いてないと思うんだよ、このカップやきそばってヤツは。
煮てるというか……蒸してる?
まぁ僕もカップめん博士じゃないのでこう断言できるわけじゃないんだけど。
うん焼いてない気がする。むしろソースそばって感じがする。
……いや、だからどうしたんだと言われると僕も困ってしまうけど。
でもこのカップやきそばを発明した人は偉大な天才なんじゃないかって、
そんな風にも思うのだ。
だってさ、焼かないでやきそば作るんだよ?
それって煮込まないでカレー作れって言うようなのと同じじゃない。
そう思うとカップやきそばを考えた人ってすげー!
ところでカップラーメンには生めんタイプのちょっと高いやつがあるけど、
カップやきそばにはそういうのないよね。
だから僕なりに考えてみた、
スパ王のソースをやきそばソースにしてみるのはどうだろう。
名づけてスパ王やきそばソース味。
使いまわしなので開発コストも安く済みそうだ。
しかしそれじゃスパゲティなのかやきそばなのか、はっきりしないな……
ちょっと想像してみたら、とんでもなく微妙な味な気がした。
やっぱスパ王って言ったら『たらこしょう油バター』なんだよ!
……と、だいぶ話がずれ込んでしまったけど、僕の言いたいことはこうです。
カップやきそばはカップで簡単に出来るやきそばじゃなくて、
もう『カップやきそば』っていう名前の食べもの。
そういう話です。