政府の運用する研究所で、第三世代の子供たちが生まれようとしていた。
かなり前から人口管理のために生殖は完全に禁止され、政府直轄の研究所が試験管から子供を作るようになっていた。
効率化された国家管理プログラムにより、老人問題も、少子化も、なくなった。
国家管理プログラムが適正な人口ピラミッドになるように調整したからだ。
あぶれたものは、みな、殺された。
いまや政府の子供たちがほとんどだった。
少子化を補填するために作られた彼らは、安い賃金で国家に奉仕した。
家族もなく、趣味もなく、ただ労働を繰り返した。
幸か不幸か彼らはそれに苦痛を感じなかった、そういう風に教育を受けてきたからだ。
長い間をただ黙々と働き、国家に貢献する。
やがて老人になり、殺されたが、特になにも思うことはなかった。
PR
トラックバック
トラックバックURL: